狂犬病
致死率100%の最も恐ろしい感染症です。
現代の医学でも治療法はなく、ヒトを含め、すべての哺乳類が感染します。
狂犬病はラブドウィルスによって引き起こされ、感染した動物の唾液を介して、咬まれた傷口から体内に侵入し、神経系から脊髄、脳などを蝕みます。
咬まれてから1~2週間の潜伏期を経て、何にでも咬みつく狂躁期にはいります。
多くの先進国では、ワクチンの接種によって発生は減少しましたが、開発途上国では、依然として猛威をふるっています。
キツネやスカンク、アライグマ、コウモリなど世界のいたるところに狂犬病の保菌者かつ伝播者がいます。
狂犬病の最初の兆候としては、ほんのわずかな行動の変化です。
人懐っこい犬がイライラして人目を避けるようになったり、神経質な犬が社交的になったりします。
狂犬病には狂躁型と沈鬱型があり、狂躁型が80%を占めます。
前者は発症後、不安、挙動の異常、食欲不振の前駆期を経て狂乱状態となり異常に吠え、徘徊し、動くものには何にでも咬みつきます。
これを過ぎると麻痺期に入り、口を大きく開け、大量の涎を垂らし、全身麻痺の症状から死にいたります。
沈鬱型は前駆期からすぐに麻痺期に進行します。