ねこの食事

猫と楽しく健康な生活を送るために食事がとても重要です。
 
食事の回数
猫のえさの回数の目安は、生後1年を過ぎた成猫で2回、
発育期の子猫で3~4回が適当です。
子猫が哺乳期を過ぎるのは、生後3~4週間ごろで、
この辺りから柔らかい固形物が食べられるよになります。
そして、生後1年を過ぎるあたりまでが子猫の発育期です。
発育期にある子猫は、成猫より沢山のカロリーを必要としますが、成猫のように一度に沢山の量を食べることはできません。
そのため、回数を増やして食事を与える必要があるのです。
成猫になれば2回の食事で十分に栄養を補給することができるようになります。
 

猫のえさの量
生後1年を過ぎた成猫のえさの量は、「猫の体重」×「80kcal」を
基準にカロリー計算をして下さい。
ただし、家の中だけで飼われている猫は、エネルギーの消費量が少ないため、「猫の体重」×「70kcal」が適量です。
生後1年に満たない子猫は、発育期にあるため成猫より沢山のカロリーを
必要とします。なので、「猫の体重」×「100~200kcal」もしくは、
それを越えても大丈夫です。
子猫は一度に沢山の量を食べることができないため、
数回に分けて与えるようにします。
また、高カロリーの子猫用キャットフードを与えると良いでしょう。
そして生後1年に近づくに従って、カロリーと回数を減らし、
成猫の食事量に近づけていきます。
 
 
与えても良いもの

キャットフード(ドライタイプ)

猫のために作ってあるので、栄養抜群、
消毒もしてあるから安心です。
カリカリのキャットフードさえあげていれば、
大丈夫です。
水分が少ないので、たっぷり水も与えるように
しましょう。

キャットフード(缶詰)
老猫や、歯の抜けた猫など、ドライタイプを
噛むことができない場合には、
ウェットタイプは最適です。


チーズ
タンパク質、脂肪、カルシウムが豊富で、
猫にとても良い食品です。
人間用のチーズには塩が入っているので、
ペット用チーズが良いでしょう。
尿石ができやすくなってしまうので、
与え過ぎには注意して下さい。
尿石経験のある猫には与えてはいけません。

 


手作りごはん
猫に必要なフードを家庭で手作りすることも
できます。
しかし、猫にとって必要な栄養素を
理解していることが第一条件です。
猫は、必要だけど体内で作れない成分もあります。
例えば、タウリンは人間や犬と違って体内で作れません。
タウリンが不足すると、目が見えなくなることもあります。
家庭で手作り食を与える場合は、
栄養の過不足がないように作るために、
専門的な知識が必要になります。 
 
 
ヨーグルト
長寿猫の好物として、ヨーグルトはよく聞きます。
糖分の入っていないプレーンヨーグルトを
おやつに与えてもいいと思います。
ただし、与えすぎるとお腹を壊してしまうので、
ほんの少量を与えるようにしてください。
ヨーグルトも尿石経験のある猫には
与えてはいけません。
健康な猫も食べ過ぎには注意です。

 
オートミール
温めた猫用ミルクをオートミールや
お粥に混ぜて与えると子猫は喜びます。
ただし、砂糖は入れないでください。

猫ミルクセーキ
生卵の黄身(白身は捨てる)をミルクに混ぜると、
猫の大好きな猫ミルクセーキの出来上がります。
牛乳が体質的に合わない子(多いので注意)は、
猫用ミルクで作ってあげて下さい。
煮干し、かつおぶし
カルシウムの補給に最適です。
かつおぶしや、かつおのなまりも酸化が
進んだものでなければ特に問題はありませんが、
喜ぶからといって一度にたくさん与えたり、
それだけを与えるということは避けて下さい。
カルシウムの必要な子猫には、猫用にぼしを
少量づつ与えます。
尿石経験のある猫、尿結石の猫には
与えてはいけません。
 
 
鶏肉
老猫以外なら、胸肉は消化も良く
脂肪を適度に含んでいて良い食品です。
ただし、骨は食べさせないようにしてください。
解凍時にサルモネラ菌が移ることが心配な場合は
鶏の首やモツは冷凍で購入することは避け、
必ず加熱してから与えて下さい。
与える場合の適量は、2cm角くらいです
(一日あたり)。
猫用にグリルした商品もあります。

牛肉、その他
牛肉は脂肪分の多い部分を与えます。
カンガルー肉などをフリーズドライした
猫用おやつもあります。
 
またたび・ネコミント
またたびは多数の猫たちを
悩殺魅了させる臭いを発します。
興奮状態になるので大人猫になってから
与えるようにしましょう。
生後6ヶ月以上、できれば1歳以上の成猫に
なってからが無難です。
市販のまたたび(実、枝、粉末)は
パッケージ記載の分量を守って与えて下さい。
子猫には、またたび入りのおやつも
注意して下さい。
またたびを多量に与えすぎると、まれに中毒症状を起こす場合があるので、初めて与える時はまずは、
耳かき程度の少量を与えて様子を見て下さい。
キャットニップ、和名イヌハッカもまたたびのような効果を表し、恍惚状態になります。
効果は一過性のもので、習慣性や副作用はないと
言われており、かのこ草という植物でも
同じような効果があります。
ネコ草
猫の多くは草を噛む習性があり、
胃薬代わりに草を食べます。
ペットショップ等に、『猫草の種』(麦の種)や
『猫の草』が売ってるので育ててあげましょう。
猫草を育てる土には肥料を入れてはいけません。
食べた草は、ほとんど便と一緒に出したり、
胃にたまった毛を吐き出す為に食べる場合は、
草を食べたあと吐くことがありますが、
胃をさっぱりさせるためなので心配はありません。
 
 
ハコベ
ヒヨコ草の愛称で親しまれ、
日本中のあちこちで見ることができます。
葉は小さく茎も柔らかいので、
猫のサラダに最適です。
春の七草の一つです。
セージ
ソーセージの匂いがするハーブで、
薬効がたくさんあります。
寒さにも強く、よく増えるので
育てて与えると喜びます。

 
 
タイム
地中海沿岸を原産地とするハーブで、
薬効にすぐれたハーブです。
好んで食べる猫がいます。
 

与えてはいけないもの

チョコレート・ココア
チョコレートやココアに含まれる
テオブロミンという物質を分解できず、
下痢や嘔吐の原因となり、
最悪の場合は命を落とすこともあります。
 



ぶどう・レーズン
理由は定かではないのですが、
嘔吐、腎機能障害が起きてしまいます。
最悪の場合は死亡することもあります。
レーズンを含んだパンも危険です。
 
 


キシリトール
ガム一枚でも低血糖を起こし、
最悪のケースでは死亡することもあります。
チョコレートと並んで絶対に
与えてはいけない食品の一つです。
キシリトール配合の歯磨き粉などにも
注意が必要です。
 
たまねぎ・長ネギ・ニラ
ねぎ類に含まれるアリルプロピルジスルファイド
という物質が赤血球を破壊し溶血性貧血の
原因になるといわれています。
すき焼きの残り汁、ねぎのかけらが入った味噌汁や
らっきょうなども厳禁です。
しょうが・ニンニク・あさつきなどにも
含まれます。
人間のサプリメント
人間用のサプリメントは
人間の体のサイズを基本に計算されています。
水溶性ビタミンは尿として体外に排出されますが、
脂溶性ビタミン(A,D,E)は体内に蓄積され、
各種の過剰症を引き起こします。
サプリメントは必ず猫用を与えて下さい。
エビ・カニ・貝類・イカ・タコ
消化が悪いので、与えない方が良いです。
また、生のイカは急性ビタミンB1欠乏症を
起こし、歩行困難になる場合があります。
タコ、エビはてんかん発作を起こす場合が
あります。
 
ハム・ソーセージ・珍味・ちくわ
人間用の練り物は塩分が高すぎるので、
腎臓をはじめとする泌尿器系のトラブルを
誘発します。
安易に与えないようにしましょう。
食事中におねだりされても無視です。
ケーキ・クッキーなど
人間用のスイーツは脂質や糖分が多すぎます。
ショ糖を含むので虫歯の原因にもなります。
 
ごはん(お米)
人間並みに主食として与えるには不適です。
与えるときは、少量にして下さい。
牛乳
人間用の牛乳は脂肪分が高いため
カロリーが高く、牛乳中に含まれる
乳糖を分解する酵素を持たない
猫もいますので、下痢を起こしやすくなります。
猫用ミルクを与えましょう。
 
 
卵白
生の卵白に含まれるアビシンが
皮膚炎の原因になるといわれていますが、
加熱すれば問題ありません。
レバー
レバーにはビタミンA、B群が豊富に
含まれていますが、脂溶性であるビタミンAには
過剰症がありますので、大量に与えてはいけません。
豚肉
生の豚肉はトキソプラズマに
汚染されている危険性があります。
猫の体内から、人間への感染源となる
恐れもあるので、必ず加熱してから与えて下さい。
 

骨はギザギザに砕け鋭く裂けるため、
とても危険です。
特に鶏骨は、噛み砕くと鋭利な刃物のように
なるので、絶対に与えないで下さい。
咽喉や内臓、消化器官に刺さったり
傷つける恐れがあり、これが原因で
死亡することもあります。
刺激物
カレー、唐辛子、こしょうなどの香辛料は
内臓に悪く、消化不良や下痢を引き起こす
危険があるため、与えないようにしましょう。
アルコール
人間と猫の体の大きさは違います。
人間にとっては許容量のアルコールでも、
猫にとっては有害になります。
面白半分で与えるのはやめましょう。
 
アボカド
果実、葉、種などにはペルシンという
物質が含まれており、人以外の動物に
与えると中毒症状を示します。
最悪、死に至ります。
アンズ
未成熟な果実や種子の中の
「アミグダリン」という成分が
体調不良を引き起こします。
また小型猫がのどに詰まらせることもあります。
 ウメ
種子の大量摂取が最も危険です。
また、のどに詰まらせることもあります。
 
 
 
ジャガイモの芽
芽に含まれる「ソラニン」等の成分が
体調不良を引き起こします。
大量摂取による人間の死亡例も
ありますので、気を付けましょう。
スモモ・モモ
未成熟の果実、種子の中身を誤食すると
虚脱、呼吸困難、痙攣を引き起こすことがあります。
サトイモ
球茎や茎にシュウ酸カルシウムの結晶が
含まれているため、誤食するとよだれ、
口内炎、舌炎、皮膚炎などを起こします。
 
トマト・ナス
果実よりも、葉や芽を誤食すると、
腹部の痛み、嘔吐、血便、下痢、
口内の乾燥、めまい、呼吸困難など
引き起こすことがあります。
 
ドッグフード 
見た目は似ていますが、成分は全然違います。
一番大きな違いは、キャットフードには
タウリンが入っており、猫はタウリンを
体内で作ることが出来ないからです。
猫にドッグフードを与え続けると
栄養失調になり、視力が弱くなります。
長期間の摂取により失明することもあります。
 
人間用に味付けした料理
猫にご飯を作ってあげる場合、
人間の食事のように味付けはしないで下さい。
猫の必要塩分は、人間の1/3程度です。
摂り過ぎた場合、腎臓障害を起こします。
猫には塩、しょうゆは使わないようにして下さい。
また、糖分も人間ほど必要はなく、
肥満から病気を引き起こす原因になります。